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2026/08/27

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アジア競技大会/アジアパラ競技大会にともなうマスギャザリングと髄膜炎菌感染症

マスギャザリング(mass gathering)は、集団形成を指します。「一定期間、限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団」が定義です。多人数の定義に関しては報告者によってさまざまですが、日本ではおおむね1万人以上とされています。今回9月19日から始まる大会期間(アジア競技大会16日間+アジアパラ競技7日間=計23日間)中には、約150万人の観客が見込まれています。

 

マスギャザリングは感染症伝播の潜在的な危険因子とされており、その理由としては以下が考えられています。

・マスギャザリングが行われている地域内における一時的な人口の増加
・マスギャザリングが行われている地域内における接触機会の増加
・マスギャザリングが行われている地域内における不特定多数の接触者の増加
・多数の国からの参加に伴う輸入感染症や国内における希少感染症の増加
・ワクチン政策や各国の感染症流行状況の違いに伴う免疫が異なる人々の集合

 

代表的なマスギャザリングとしては、ハッジ(Hajj)というイスラム教徒がメッカを目指す巡礼があります。ハッジでは、髄膜炎菌感染症(飛沫感染で伝播し、致命率約10%)が流行することが知られています。そのため、ハッジ参加者には髄膜炎菌ワクチンの接種が必要とされています。

 

ハッジ以外で懸念される感染症については、2016年にPreferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses(PRISMA)guidelinesに従って、ハッジが行われるサウジアラビアを除くすべてのマスギャザリングにおけるアウトブレイクを調べた研究があります。

Int J Infect Dis. 2016; 47: 46-52

 

この論文によると、以下の感染症が流行していました。

・麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘
・インフルエンザ(熱帯・亜熱帯地域からの持ち込み)
・A型肝炎
・髄膜炎菌感染症
・感染性腸炎(ノロウイルス、サルモネラ、病原性大腸菌O157)

これらの多くの感染症はワクチンで予防可能なので、いかにワクチン接種が大事であるかが分かります。特に麻疹と髄膜炎菌感染症に注意する必要があります。

 

髄膜炎菌感染症は日本国内でも流行した事例が複数あります。1つ目の事例は、2011年4~5月に起きた宮崎県の学生寮でのアウトブレイクで、確定4例(髄膜炎2例、敗血症2例)、疑い1例が発生し、確定4例のうち1例が死亡しました。2つ目の事例では、2015年7~8月に山口県で開かれたイベントで、世界162の国と地域から約3万人の青少年が集まり、6人が髄膜炎菌感染症を発症しました。

 

観客として、また運営スタッフとして参加する方も多いと思います。当院ですべてのワクチン可能です。インフルエンザは今シーズン9月半ばからの接種が可能になると思います。