2025/05/12
- お知らせ
コクーニング(赤ちゃんを百日咳感染から守る)
新生児(生後28日未満)や乳児(生後1か月から1歳未満)が百日咳に感染すると、呼吸困難や肺炎などで重症化する恐れがあります。百日咳ワクチンは接種後10年ほどで効果が低下します。しかし推奨されている追加接種(任意接種)がほとんどされていないため、市中では百日咳が流行しています。耐性菌が出現していることもあり、今年に入って2人の新生児が百日咳感染で亡くなっています。百日咳ワクチンは現在では5種混合ワクチンに含まれますが、安全性と有効性から生後2か月まで接種できません。生後2か月までの新生児や乳児を守るには、周囲の人々(妊婦中のお母さんを含めた家族や親族)へのワクチン接種しかありません。成人用3種混合ワクチン(Tdap;ブーストリックス)を妊婦さんに接種(妊娠27~36週)することが推奨されています。Tdapを使用する理由については以前のお知らせで説明しましたので参考にしてください。ワクチンにより医学的に弱い人を守る行動は、蚕が繭に包まれるイメージからコクーニング(Cocooning)と呼ばれ、ワクチン先進国を中心に重要性が高まっています。米国では新生児をケアする医療職および成人はTdapの接種が推奨されています。