受付

お知らせ

News

  1. トップページ
  2. お知らせ
  3. 糖尿病診療ガイドライン2026(米国)が発表されました

2025/12/16

  • お知らせ

糖尿病診療ガイドライン2026(米国)が発表されました

米国糖尿病学会(ADA)は2025年12月8日、糖尿病の標準治療2026(Standards of Care in Diabetes 2026)を発表しました。(Diabetes Care. 2026; 49: S1–S371)米国における糖尿病診療ガイドラインです。どの血糖降下薬をどのような順番で選択して治療するかについては、前年の2025年版から大きな変更点はありませんが、GLP-1受容体作動薬(オゼンピックなど)やGIP/GLP-1共受容体作動薬(マンジャロ)の臨床試験が多く発表されていて、この1年間に発表された新たなエビデンスに基づいて多くの推奨が書き換えられています。

例えば、心臓のポンプ力は保たれているにもかかわらず、息苦しいなどの心不全症状がある肥満合併糖尿病患者に対する血糖降下療法は、2025年版ではGLP-1受容体作動薬のみの推奨でしたが、今回2026年版ではGIP/GLP-1共受容体作動薬も追加されています。

 

リブレなどの持続血糖モニター(CGM)の推奨範囲は徐々に拡大され、糖尿病の標準治療2026では血糖管理に役立つ全ての患者において、任意の時期におけるCGMの使用が推奨されています。残念ながら、日本ではインスリン使用している糖尿病患者しか保険適応になっていません。GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1共受容体作動薬のみ使用の糖尿病患者にも早く保険適応になって欲しいと思います。

 

心血管疾患や腎疾患のリスクが高い成人の高血圧合併糖尿病患者の降圧目標は、収縮期血圧で120mmHg未満に厳格化されています。日本で今年改訂された高血圧管理・治療ガイドライン2025では、年齢や合併症によらず降圧目標を130/80 mmHg未満(診察室血圧)、125/75 mmHg未満(家庭血圧)でしたので、血圧の管理は今までより低い目標値を目指すことになります。

 

糖尿病診療は、血糖管理だけではなく、糖尿病による臓器障害を起こさない、または既に起こした人については悪化させないことが長期治療目標になります。糖尿病による心臓や腎臓合併症を多く診察してきた経験から、診断と治療を提供したいと思います。クリニックでは、CKDステージ応じた治療、心臓エコーと負荷心電図による狭心症の除外も可能です。診断後に心臓カテーテル検査が必要と判明したら、連携している日赤名古屋第二病院へのWEB予約がクリニックから可能です。CKDの最終ラインは透析や腎移植。冠動脈疾患の最終ラインは冠動脈形成術や冠動脈バイパスです。もちろん最終ラインへ行かないような治療が良いのですが、必要になったときには適切なタイミングで日赤名古屋第二病院への入り口になります。待ち時間がとっても長い日赤です。治療後安定したらクリニックへ戻ってきてもよいと思います。