2025/07/22
- お知らせ
変形性膝関節症と肥満
当クリニックにも変形性膝関節症を有する方がたくさん受診されます。最近発刊された有名な医学論文(総説)*からは、減量はもちろんのこと、大腿四頭筋量を維持することが大切だと結論しています。大腿四頭筋量の維持をAIで調べてみると、①スクワット、②ランジ(足を前に出してしゃがむ動作)、③ウォールシット(壁に背をつけて座る姿勢をキープ)、④ステップアップ(段差を利用して昇降運動)、⑤サイクリングやエアロバイクが出てきます。膝の痛みがひどい時には、①から④は難しいと思いますが、室内でのエアロバイクは簡単に始めることができます。毎日30分が理想的です。大腿四頭筋に与える効果は、①ペダルを押し下げる動作が大腿四頭筋を中心に刺激する、②有酸素運動なので、筋肉維持だけでなく心肺機能の向上にも効果的、③膝への負担が比較的少ないため、関節に優しく筋肉を鍛えられる、④長時間続けられることで、筋持久力の向上にもつながります。この総説では、減量に関してゼップバウンド/マンジャロなどの注射薬も効果的であるとまとめてあります。人工膝関節は耐久年数に限りがあります。特に若くして変形性膝関節症を有する方は、将来の人工膝関節置換術を先延ばしにするために、減量と大腿四頭筋量維持が必須です。変形性膝関節症に対する減量目的で、当クリニックからゼップバウンド/マンジャロを処方開始した方が数名います。
*Lancet. 2025 Jan 4; 405(10472): 71-85
ゼップバウンド/マンジャロについて詳しく知りたい方は、下記の「肥満症治療ページ」よりご覧ください。