2026/05/04
- お知らせ
麻疹が流行っていますが、免疫抑制薬を内服している方はワクチン接種ができません
麻疹の集団発生を抑え込むためには95%以上の高い予防接種率の維持が重要(集団免疫)ですが、本邦での2024年の麻疹ワクチン接種率は、第1期92.7%、第2期91.0%と低いです。2024年に国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイトから本邦の抗体保有率が報告されています。麻疹抗体陽性と判断される4.0以上のEIA抗体保有率は全体で86.6%でした。95%を下回っているのはほとんどが50歳未満で、この年齢層が集団感染に関与している可能性が高いです。これでは免疫学的に弱い方(妊婦や免疫抑制薬を内服している方など)を社会として守ることができません。
国内の麻疹に対する予防接種は1966年に任意接種として始まり、1978年10月に予防接種法に基づく定期接種(生後1年で1回接種)となりました。母体から乳児への移行抗体は、生後6か月以降に漸減し始め1歳時にはほぼ消失するからです。2006年度からは第1期(生後12か月以上24か月未満)、第2期(5歳以上7歳未満で小学校就学前1年間の者)の2回接種となりました。また2008~2012年度の5年間は、10代への免疫強化を目的として第3期(中学1年生)、第4期(高校3年生相当年齢の者)の定期接種が実施されました。
麻疹は空気感染で、感染力はインフルエンザの約10倍です。潜伏期は10から12日で高熱や発疹が出ます。治療はありませんが、麻疹に感染した方に接触した場合、72時間以内に接種すると発症を予防できる可能性があります。
しかし、免疫抑制薬を内服している腎移植レシピエントの方は、ワクチン株から麻疹に感染する可能性があるため、麻疹ワクチン接種はできません。
麻疹曝露後3〜5日以内にヒト免疫グロブリン(IG)を筋注または静注で投与して、発症予防または軽症化が可能です。



