受付

お知らせ

News

  1. トップページ
  2. お知らせ
  3. 輸入髄膜炎菌B群ワクチン

2025/10/13

  • お知らせ

輸入髄膜炎菌B群ワクチン

髄膜炎菌は飛沫感染,保菌者や感染者からの唾液(ペットボトルの回し飲みや食器類の共有など)で感染し、不顕性感染(鼻咽腔に定着)するか、急激に発症します。潜伏期間は2~10 日(平均4 日)で、先行する上気道炎症状から敗血症や脳脊髄膜炎(侵襲性髄膜炎菌感染症)を引き起こします。大学の寮などの人が密な環境はリスク因子になります。国産の髄膜炎菌ワクチンとしてA、C、X、Y群の4種の血清型が入ったメンクアッドフィがありますが、髄膜炎菌B群に対する国産ワクチンはありません。

髄膜炎菌B群ワクチンは、渡航ワクチンとして米国の高校、大学に入学する時や寮に入る時などに接種を要求される以外はあまり必要とされませんでした。しかし医療の進歩に伴い、発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、C3腎症などの治療にソリリス、ユルトミリス、ファビハルタなど免疫の一部(補体)を抑える薬剤を使用する時や脾臓摘出後は、通常ワクチンとして侵襲性髄膜炎菌B群感染症の予防が必要です。最近の国内のデータからは、侵襲性髄膜炎菌感染症の1/4はB群が原因になってきているからです。侵襲性髄膜炎菌B群感染症を国内ワクチンで予防することはできないため、メンクアッドフィ(髄膜炎菌ACXY群4価)に追加してベクセロ(髄膜炎菌B群ワクチン)接種が必要です。当クリニックでもベクセロ接種が必要な患者さんが数名います。10月終わりから輸入ワクチンとして常備します。